スクールカウンセラーになるために必要な資格「臨床心理士」とは?

スクールカウンセラーになるための資格「臨床心理士」とは

 昨今、人の心の問題を目にすることが多くなってきました。
教育の現場ではいじめ、会社ではパワハラ、家庭ではドメスティックバイオレンスと言ったように、大小関わらず様々な原因で心に問題を抱えてしまう人が浮き彫りになってきました。

このような問題は一体誰がどのように解決しているのでしょうか?
その答えが、スクールカウンセラーになるために必要な資格、臨床心理士を持っている人たちです。

本記事ではその臨床心理士について説明していきたいと思います

臨床心理士とは?

臨床心理士とは一体どのような資格なのでしょうか?

まず臨床心理士は国家資格ではありません。
スクールカウンセラーを代表するカウンセラー系の資格は民間資格であり、その中で最も信頼のおける資格が、臨床心理士となります。
そのため、臨床心理士を取得するハードルは高く、非常に多くの勉強をしなければいけません。

では具体的に臨床心理士とはどのような資格かというと、先述した通り、臨床心理士は人間の心の問題に対してアプローチをし、解決に導く心の専門家です。
様々な問題に直面し、辛いと感じる経験が誰しも一度はあるでしょう。
そんな状態になってしまった時、愚痴でも具体的な相談でも受け入れ、一緒に問題について向き合い、解決の方法を探っていく、それが臨床心理士です。

臨床心理士は臨床心理学における知識や経験を用いて、相談者の悩みを解決していきます。
悩みは誰しもが持っています。それが大人でも子供でも関係なく持つものです。
そのため、スクールカウンセラーという仕事の性質上、心の専門家である臨床心理士が必須資格になるのはある意味では当然と言えるでしょう。

しかし、心の専門家とは言っても、臨床心理士も一人の人間です。
相談者が様々な思いをぶつける中で、臨床心理士もまた相談者に様々な思いを持つことがあります。
特に情を持つことが多く、臨床心理士としてではなく、個人として問題を解決してあげたいと思うことがあります。
ですが、それは禁じられています。
あくまで臨床心理士として、契約的関係以上のことをしてはいけないのです。
相手の心だけでなく、自分の心もしっかりと理解し、律することが出来てこそ、心の専門家と呼ばれるにふさわしいのではないでしょうか?

こうした心の専門家になるためにはどうすればよいのでしょうか?
スクールカウンセラーを目指す上で一番気になるのはそこだと思います。
次項で説明していきます。

臨床心理士になるには

臨床心理士の認定試験は誰でも受けられるわけではありません。
受験資格には「指定大学院を修了した者」「臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者」が挙げられています。
つまり、スクールカウンセラーを目指し、臨床心理士の資格を取るためには指定大学院、または専門職大学院の道に進むことが必須となっています。

もちろん、大学院に進むためには大学を卒業しなければなりません。
指定大学院とはつまり心理学専攻の大学院であり、そこに進むためには、心理学の卒業単位、卒業論文等が必要となることが多いです。
また、大学院の入試では心理学の基礎的な知識を問われます。
そのため、スクールカウンセラーになりたいと思っている方は心理学の勉強をしなければいけません。
つまりどういうことかというと、大学選びからすでに臨床心理士への道がスタートしているということです。
一般的には心理学部がある大学に進み、そこで様々な心理学を学び、大学院へ進むというのがスムーズに臨床心理士になる道でしょうか。

臨床心理士になるために必要なのは何も学問だけではありません。
性格等にも適正があります

求められる性格や能力は、まず忍耐強さです。
ただ一回の相談で全ての問題が解決することはまずないと言っていいでしょう。
そのため、長期に渡って問題と向き合う必要があります。
中々解決しない問題でも我慢強く向き合い、相談者が回復していく様子を見守る必要があります。

次に包容力です。どんな相談でも受け入れることのできる包容力、更には相談しやすい親しみやすさを持ち、相談者から信頼感を得られることも必要です。
スクールカウンセラーという仕事は主に子供が相手です。
中々心を開いてくれない子もいるでしょう。
そのため、勉強だけでなく、普段から様々な人と交流を持ち、これらの能力を養っていくことも臨床心理士にとって非常に大切なことになります。

それではこれらの要素をクリアし、無事に大学院を卒業した後はどうすればよいのでしょうか?
卒業後は一年に一回東京で行われている「臨床心理士資格審査」という試験を受ける必要があります。
一次試験と二次試験があり、一次試験ではマークシートと小論文、二次試験では面接が行われています。
これを無事突破すれば、晴れて臨床心理士の資格を取ることができます。

また、このあたりの大学の選び方や取るべき資格は「高校生からスクールカウンセラーを目指すなら」の記事を参照頂けますと更に詳しい内容がございます。

次項では臨床心理士がスクールカウンセラーの道しかないのかどうかについて説明していきたいと思います。

臨床心理士の資格でなれる他の仕事

まずは結論からお話させていただきます。

臨床心理士になった後、スクールカウンセラー以外の道は存在します

臨床心理士は教育機関だけではなく、病院や保健所、研究機関や警察関係機関、更には一般企業まで、多岐に渡る分野で活躍することが出来る資格です。
どのような現場でも心の悩みを解決するという点では一貫していますが、それだけ臨床心理士が必要になる社会になったと言ってよいでしょう。

しかし、どの現場においても、臨床心理士が正規雇用されることはあまり多くはありません
そのほとんどが非常勤で、非正規雇用となります。
そのため、一つの現場ではなく、複数の現場と契約をし、掛け持ちで仕事をしているのが実情です。

それらの仕事をまとめますと、教育機関はスクールカウンセラー。
医療では精神保健福祉相談員。福祉では指導員、心理判定員。
大学では教授として講義を行い、臨床心理士の卵を育成していく。
他にも様々な職業がありますが、つまり道は決して一つではないということです。
いくつもの道がある中で、スクールカウンセラー一本でやっていくのか?それとも他の職業と掛け持ちをして社会に貢献していくのか?それは人それぞれですが、ただ言えるのは一つの現場と契約して、それだけで生活をしていくというのが厳しいという現状があります。
そのためにどんな現場にも対応できるように、自分を成長させていく必要があるということです。

まとめ

さて、色々ご説明させて頂きましたが、スクールカウンセラーのことや臨床心理士のことが少しでもお分かりいただけましたでしょうか?

夢のある話ばかりではなく、実際の現状をもお話したので少しスクールカウンセラーへの道が遠く感じてしまった方もいるかもしれません。
しかし、これからの社会で求められているのは間違いなく心の悩みを解決できる専門家です
そのために国も動き始めていて、臨床心理士とは名前が変わってしまいますが「公認心理士」という国家資格が誕生することとなりました。
これにより業務や待遇の改善が見込まれ、少しでもスクールカウンセラーやその他のアドバイザーが働きやすく、暮らしやすくなるような良い方向に向かっているのは間違いありません。

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