スクールカウンセラーの近道|臨床心理士になる方法

スクールカウンセラーになるためには、何かしらの資格を必ず持っていなければならない、ということはありません。地域を選ばなければ、特定の資格の保持が必要といないのが現状なのです。

だからといって、心理系の資格を何も持っていないまま心理カウンセラーを目指す、ということは避けなければなりません。採用する側としても、やはりある程度の知識や技術を持っている方でなければ不安なのです。

スクールカウンセラー関連の資格の中でも、特に重要になってくる資格が「臨床心理士」です。臨床心理士は資格試験を受けた上で合格しなければ取得できません。

こちらでは臨床心理士の資格試験について詳しく解説します。スクールカウンセラーに絶対になりたい、といった確固たる意志を持っている方は必見です。

スクールカウンセラーの試験をうけるための受験資格とは?

・指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
・臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
・諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
・医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者など

※「公益法人日本診療心理士資格認定協会」の「受験資格」(http://fjcbcp.or.jp/rinshou/juken/)のページより抜粋

上記の受験資格のうち、一つでも該当していなければならない、とされています。非常に高いハードルが設けられているので、その点はしっかりとおぼえておかなければなりません。

最もオーソドックスな臨床心理士の銃剣資格を得る方法としては、大学院を修了する、というものです。
公益法人日本診療心理士資格認定協会が指定している大学院を修了している場合には、心理臨床経験は不要となっているのです。修了したらすぐに受験できるので、最も近道、ということになります。

ちなみに受験資格によく出てくる「心理臨床経験」というものですが、教育相談機関、病院等の医療施設、心理相談機関などにおいて心理臨床に関する従業者としての勤務経験のことを指しています。カウンセラーとして働いていたり、心理相談員として働いていたり、ということが必要になってくるわけです。
一方で、有給を原則としていることも同時に把握しておかなければなりません。研究員として働いた経験であったり、ボランティアとして従事していたりするケースは心理臨床経験には該当しないのです。

【地域別指定大学院・専門職大学院数について】

地域によって協会が指定している大学院や専門職大学院の数には大きな差があるのが現状となっています。一つも設置されていない都道府県もあるのです。

まず東京に関しては全部で28校もあります。大阪には9校あり、兵庫にも11校あります。愛知には10校あり京都にも12校あります。基本的には人口が多い地域には複数の指定校があるわけです。

一方で、指定校がまったくない地域もいくつかあります。富山県・三重県・滋賀県・高知県・宮崎県です。
それらの地域に住んでいる方は他の都道府県まで通わなければなりません。

資格試験について

・受験の申請について

臨床心理士受験のためには、まず申請書類を手に入れなければなりません。公益法人日本診療心理士資格認定協会に問い合わせを実施して入手しましょう。
申請書類には費用がかかり、1セットあたり1,500円かかります。

書類の請求方法については、郵便局備付の振替用紙を用います。氏名や住所とともに「申請書類1部希望」と明記して指定された口座に送金を実施してください。

【送金先情報】

・郵便振替口座番号・・・00130-1-362959
・加入者名・・・(公財)日本臨床心理士資格認定協会

入金が確認されてから1週間から10日ほどで申請書類が送付されてきます。

臨床心理士の資格審査の受験方式について

・資格審査の全体像について

一次試験と二次試験があります。
二次試験に関しては一次試験を突破した方だけに受験資格が与えられます。

一次試験を突破し、二次試験も突破すると合格と判定されることになるわけです。

一次試験に関しては筆記試験となっており、二次試験は面接となっています。

・一次試験について

筆記試験となっているわけですが、二つの試験に別れています。

・多肢選択方式試験(マークシート)
・論文記述試験

二つの試験は1日のうちに行われることになり、多肢選択方式試験(マークシート)に関しては2時間30分となっており論文記述試験は1時間30分となっているのです。論文記述試験については全員行われることになり、多肢選択方式試験(マークシート)の突破者だけが受けられるわけではありません。

多肢選択方式試験(マークシート)に関しては100題出題されます。臨床心理士として最低限理解しなければならないような、基礎的な知識が中心となっています。
心理学に関する問題だけではなく、臨床心理士の基本業務である「臨床心理査定・臨床心理面接・臨床心理的地域援助・それらの研究調査」に関する問題も出題されます。
他にも臨床心理士に関する倫理や法律などの基礎知識、及び姿勢や態度にかかわる問題も出題されることになります。広範囲となっているので、幅広い知識が必要とされているのです。

論文記述試験に関しては心理臨床に関するテーマが出題されるので、そのテーマに関して論述記載することになります。文字数が決まっており、1,001文字以上1,200文字以下に設定されています。
文字数はそれほど多くないので、完結で論理的な表現が好ましいとされています。また文字数制限を守ることも大切とされているので、超えてしまわないように注意しましょう。

・二次試験について

一次試験の突破者だけが受けられます。ただし二次試験の受験資格は一次試験の「多肢選択方式試験」の成績のみで判断されているのです。論文記述試験は、二次試験に進めるかについては関わってきません。

※論文記述試験は二次試験へ進めるかには関わっていませんが、最終的な合格の判断には関わってきます。

二次試験は面接が実施されます。2名の面接委員がいるので、そこで後述面接試験を受けることになります。

面接では、専門知識や技術を確認するだけではありません。臨床心理士としての態度や姿勢が備わっているのかを判断されます。さらに臨床心理士は心的な分野での専門家となります。だからこそ人間関係能力というものに関しても判断されることになるのです。

・臨床心理士の資格審査の合格について

・一次試験の多肢選択方式試験(マークシート)
・一次試験の論文記述試験
・二次試験の面接

上記の全てに合格しなければなりません。一つでも合格していないと臨床心理士にはなれないのです。

また臨床心理士の資格審査に合格しただけでは臨床心理士にはなれません。まずは合格通知を受け取ってください。更に所定の期日までに、資格認定証書の交付手続きをしなければなりません。

交付手続きが終了したら、日本臨床心理士資格認定協会より「臨床心理士」の資格認定証書と携帯用の身分証明書が発行されるのです。

※身分証明書には本人の顔写真が添付されています。

高額手続きが終了して晴れて臨床心理士になると、「臨床心理士有資格者の公告」が実施されます。大学、研究所、関係官庁、施設等などの関係機関に対して当該者の氏名等を記載した認定協会が発行する「日本臨床心理士名簿一覧」が送付されるのです。

臨床心理士は更新制の資格である

・運転免許証と一緒

運転免許証は一定期間ごとに更新していなければ資格を保持し続けられません。それと同じようなシステムが臨床心理士にはあります。実は5年毎に更新されるシステムになっているのです。

臨床心理士の資格を更新するためには、決められたポイントを獲得していかなければなりません。たとえば臨床心理士研修会に講師として参加したら4ポイント、受講者としたら2ポイントが獲得できます。心の健康会議にシンポジストとして参加した場合には3ポイント、参加者として参加した場合には2ポイントが獲得できます。
他にも様々なポイントの取得条件があります。そのポイントですが、15ポイントを5年以内に取得しなければならないわけです。仮に足りなくなってしまうと臨床心理士の資格が更新できなくなってしまい失効してしまう恐れもあるので注意しなければなりません。

ちなみに最も大きなポイントを獲得できるのが、日本臨床心理士資格認定協会が認める臨床心理学関係の書著の出版を減所に準ずるものとして行った場合です。そのケースでは12ポイントが一気に獲得できます。

・なぜ更新制の資格なのか?

合格者に対して生涯学習の大切さを知ってもらうためです。
臨床心理士というものは人と関わっていくものでもあります。自分の考えに固執するのではなく、新たな考え方にも柔軟に対応していかなければなりません。だからこそ臨床心理の勉強を継続的におこなってもらうために更新制の資格となっているわけです。

臨床心理士資格の合格率・難易度はどの程度なのか?

・合格率は60%ほど

合格率はそれほど低いわけではありません。難易度は消して高いものではないのです。
そもそも臨床心理士の資格は国家資格ではありません。受験資格は少し厳しいものがありますが、難易度としてはそれほど高いものではないので比較的敷居が低い資格、と言っても良いかもしれません。

・心理系資格の中では最難関!?

心理系の資格に関しては、産業カウンセラーやメンタルケア心理士などもあります。それらの資格の中では臨床心理士の資格試験は最も難しい、と言われているのです。

合格率が60%もあるので、最難関というのはおかしいのではないか、と思う方もいるかも入れません。しかし臨床心理士の資格試験は受けるまでが大変なのです。特定の大学院を合格していたり、臨床心理系の一定の職務に一定期間勤めていたりしなければ受けられないケースもあります。

ちなみに産業カウンセラーやメンタルケア心理士などの受験資格は基本的にありません。要は望めば誰でも受けられる資格なのです。

臨床心理士の資格試験は間口が狭いということも含めて最難関とされているわけです。

・臨床心理士試験の合格率の推移について

・平成18年度臨床心理士試験の合格率・・・65.5%
・平成19年度臨床心理士試験の合格率・・・68.9%
・平成20年度臨床心理士試験の合格率・・・65.5%
・平成21年度臨床心理士試験の合格率・・・62.3%
・平成22年度臨床心理士試験の合格率・・・61.3%
・平成23年度臨床心理士試験の合格率・・・60.6%
・平成24年度臨床心理士試験の合格率・・・59.1%
・平成25年度臨床心理士試験の合格率・・・62.4%
・平成26年度臨床心理士試験の合格率・・・60.4%
・平成27年度臨床心理士試験の合格率・・・61.8%

一時期は70%に迫る合格率になったのですが、その後に合格率は下落して60%前後で落ちついています。合格率60%程度で抑えたい、という思惑が日本臨床心理資格認定協会にあるのかもしれません。
一方で、一度は50%台に合格率が下落したのですが、よく年以降また60%を維持しています。日本臨床心理資格認定協会としては合格率を50%にはしたくない、といった気持ちも合格率の推移から見え隠れしています。

・臨床心理士受験者数の推移

・平成18年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,495人
・平成19年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,205人
・平成20年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,412人
・平成21年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,531人
・平成22年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,607人
・平成23年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,740人
・平成24年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,812人
・平成25年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,804人
・平成26年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,664人
・平成27年度臨床心理士試験の受験者数・・・2,590人

ずっと2,000人台で推移していることになります。合格率が60%台なので、毎年1,500人前後が合格していることになります。

ただし今後は受験者数が増える恐れもあります。各都道府県でスクールカウンセラーの募集が増えてきているからです。受験者数が増えると、合格率が大きく変動する恐れもあるのでなるべく早い段階で受験するのがベストです。

現状ではほとんどの方が一発合格をしているので、しっかりと対策をすれば合格できるはずです。

・臨床心理士試験はどのくらいの間隔で実施されているのか?

年に1回の実施となっています。
夏頃に応募が可能となり、秋に試験が実施されます。

年に1回なので不合格になってしまうと、翌年まで待たなければなりません。計画的に勉強をして、秋の資格試験での一発合格を目指しましょう。

【臨床心理士試験の流れ】


・申請書類の請求(毎年7月から8月)

・申請書類の受付(毎年7月から8月)

・受験資格の審査が実施される

・問題なければ資格試験を受ける

・一次試験(筆記試験)(毎年10月頃に開催)

・一次試験の結果発表あり(一次試験後2週間程度)

・一次試験突破

・二次試験の実施(面接試験)(毎年11月頃に開催)

・合格発表(毎年12月頃)

臨床心理士になるための費用とは?

・受験のための資格申請書類費用・・・1,500円
・資格審査料・・・30,000円
・合格後の登録料・・・50,000円

全部で81,500円かかることになります。不合格であった場合は、31,500円となります。

合格後の登録料がかなり高く設定されている、といった特徴を持っているので注意してください。

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