生徒はスクールカウンセラーをどう思っているのか?

いじめで悩んでいる子供の為や、子供との関係で悩んでいる先生の対応をするために存在しているのがスクールカウンセラーです。働く上で、特に重要となってくるのが生徒との関係性です。生徒との信頼関係が築けなければ、スクールカウンセラーとしての仕事をまっとうすることは難しいでしょう。

こちらでは、そもそも生徒たちはスクールカウンセラーに対してどのような印象を持っているのか、ということについて明らかにします。信頼してくれているのでしょうか。それとも信頼をしてくれていないのでしょうか。

生徒たちはスクールカウンセラーに相談をしたいと思っているのか?

・平成26年3月に発行した「子ども・子育て家庭 意識・生活実態調査報告書」に注目してみた

平成26年3月に発行した「子ども・子育て家庭 意識・生活実態調査報告書」は名古屋市子ども青少年局が出したものです。少し古いものとなっていますが、中学生に対して「何かしらの悩みがあると気に誰に対して相談するのか」、ということをアンケートしているのです。

そのアンケート結果がスクールカウンセラーにとってはあまり良くない内容となっています。

【「悩みや困ったことがあるときに相談する人は誰ですか?」】

・第1位・・・お母さん:56.6%
・第2位・・・友達:53.5%
・第3位・・・お父さん:23.2%
・第4位・・・担任の先生:17.4%
・第5位・・・兄弟姉妹:14.2%
・第6位・・・誰にも相談しない:12.9%
・第7位・・・わからない:8.6%
・第8位・・・担任以外の先生:7.3%
・第9位・・・習い事や塾の先生:6.9%
・第10位・・・おじいさん・おばあさん:6.6%
・第11位・・・学校の先輩:6.5%
・第12位・・・学校のカウンセラー:1.4%
・第13位・・・インターネットで相談:1.3%
・第14位・・・その他の人に相談:1.3%

※調査機関・・・平成25年10月10日から31日まで
※調査対象・・・名古屋市の中学生:1,857人から回答あり
※複数回答あり
http://www.city.nagoya.jp/kodomoseishonen/cmsfiles/contents/0000058/58839/kodomo.pdf(PDFファイルページの74ページ目(資料内の70ページ目))より抜粋

スクールカウンセラーとしては衝撃的な数字となっています。なんと1.4%の中学生しか、何かしらの問題があった時に相談しない、といった結果が出ているわけです。

上記の結果を見るとスクールカウンセラーは子供達にまだ信頼されていない、ということがすけて見えてきます。
では、なぜスクールカウンセラーに相談しない子どもが多くなってしまっているのでしょうか。

生徒がスクールカウンセラーに相談しない理由とは

・信頼されていない

実はこういった痛烈な意見もあります。

「週に1度、数時間しか来ない人に、誰がイジメを相談したいと思うのか」

スクールカウンセラーは、年間で一つの学校に月35日程度しか勤務をしません。いつも学校にいるわけではありません。しかも勤務時間もだいたい決められており、ずっと生徒と関わっていけるわけではないのです。

スクールカウンセラーに関しては、たしかに予算の問題もあります。ですからある程度勤務時間については制限されてしまうというのは致し方のないところでしょう。
しかし「1校に月35日間まで」といった勤務の制限は、子供に信頼されない原因を作っているとしか考えられないのです。

スクールカウンセラーは東京都の場合、1校あたり35日間までで最大で3校まで(105日間)となっています。大枠としての105日というのは守りつつ、1校あたりの勤務日数の制限をもう少し広げる、といった対策がいま現場から求められているわけです。

今後は外国のスクールカウンセラーのように月曜日から金曜日までずっと学校にいる、といった時代が来るかもしれません。そうなれば生徒から積極的に相談されるような状況がやってくることも十分に考えられます。

・まだスクールカウンセラーの役割が周知徹底されていない

そもそもスクールカウンセラーの役割を生徒自体が正確に認識していない、といった現状も見え隠れしているわけです。
スクールカウンセラーについて学校の強力も足りないと言わざるをえません。スクールカウンセラーは設置しつつも、専用の相談室が用意されていない、というケースが多くあるわけです。

学校においてスクールカウンセラーはいるけれども、その役割を果たせるような環境が整っていない、といった問題があるのです。

スクールカウンセラーの最大の役割はいじめの予防や解決です。そのいじめを未然に防ぐ用な対策も求められているわけです。
いじめ対策だけではなく、学校の諸問題についても対応を求められています。

今後は学校側にも生徒たちに対し、なんでも良いので積極的にスクールカウンセラーに相談するように促すような対策をしなければなりません。

学校の協力があってこそ、生徒たちがスクールカウンセラーに相談するようになるわけです。

・そもそもスクールカウンセラーに積極性が足りない

スクールカウンセラーの中にも、ほとんど生徒たちと関わりを持たない、というケースがいくつか見受けられます。普段から関わりを持っていない人に対して、「なんでも相談しろ」と言うのは都合が良すぎますよね。

スクールカウンセラー自体の努力も今後は大いに必要になってきます。

先生に対して頻繁なヒアリングも重要ですし、生徒に関してもアンテナを巡らして何かしらの問題が起きていないかをチェックしましょう。ちょっとでも変化があった場合には、自ら話しかけて悩みを聞くのもおすすめです。

スクールカウンセラーの良いところは、先生ではないところです。学校にいる先生ではない大人、という存在を活かすのです。
たとえば不登校に陥っている生徒の中には、先生との相性が悪くて不登校になっていることも珍しくはありません。そういった生徒は学校で先生に悩みを相談できないわけです。しかしスクールカウンセラーは先生ではありません授業を探偵しているわけではなく、生徒を評価する立場でもありません。だからこそ気軽に話ができる相手でもあるわけです。

生徒からスクールカウンセラーが頼られるためにはどうしたら良いのか?

・生徒と先生の橋渡し役になる

スクールカウンセラーだけで学校の問題を解決することは出来ません。情報を共有し、役割を分担していく事が重要になっているのです。

たとえば、生徒と最も身近にいる学校の大人である担任が生徒に何らかの変化のサインを受け取ったら、カウンセラーに情報を提供します。カウンセラーは生徒に対してカウンセリングを実施し、その結果から担任にフォローを依頼する、というものです。

カウンセラーが実施すべきは、生徒と先生の橋渡し役になる、ということなのです。学校で問題が凝ったとしても、カウンセラーと生徒だけでは解決できません。生徒と先生だけでも解決できないことはあるのです。そこでカウンセラーが潤滑油役となって、生徒から問題をしっかりと聞き出して、担任の先生に対策を依頼する、といいうことが必要になってくるわけです。

・生徒とだけではなく先生とも信頼関係を築くこと

生徒との信頼関係を築くことは極めて重要です。信頼関係がなければ、本音の話をしてくれません。いじめの発見が遅れてしまう、ということにもなりかねないのです。

一方であまり重視されていないのが担任の先生との信頼関係を築く、ということです。スクールカウンセラーの業務は生徒との信頼関係だけでは成り立ちません。担任の先生との信頼関係も重要なのです。

先生の中には「スクールカウンセラーの手は借りたくない」といった考え方を持っている人もいます。そういった先生に対しても積極的に働きかけて、一緒になって問題解決に当たろうとするべきなのです。
そもそもいじめや不登校といった問題には心理についての専門知識が必要です。先生は勉強を教える能力があるかもしれませんが、心理的な部分に関しては素人同然です。担任の先生だけでは解決できない問題も多い、ということを認識して貰う必要もあります。

・必要があれば相談室以外でもカウンセリングを実施すること

不登校になってしまうと、生徒は学校に来ません。相談室にいつまで居てもカウンセリングが出来ないわけです。
必要があれば不登校の生徒の家に出向き、そちらでカウンセリングを実施する、といったことも必要になってきます。

不登校児の家に行く場合には、担任の先生と連携しましょう。

・第三者的な立場を明確化させておく

学校の先生ではない、といったことを明確にしておく必要もあります。生徒の中には学校に対して大きな不信感を持っているケースもあるのです。スクールカウンセラーを学校の側の人間と判断して、心をひらいてくれない、ということも少なくありません。

実際に以下のような意見を持っている人もいます。

「スクールカウンセラーって教師とかと繋がってる感じして信用ならんかったよな」
「スクールカウンセラーは、学校の関係者だから(悩みも)話せないだろうな。」
「教師に目の敵にされて不登校になるケースも多い。こんな場合、スクールカウンセラーにできることはきわめて少ない。」

学校と距離を置く、ということは難しいかもしれません。
たとえばいきなりカウンセリングに入るのではなく、ちょっとした世間話から入るのも良いでしょう。友だちのような感覚で接していくわけです。
いきなり核心を突くような問いかけをしてしまうと、生徒側も態度を硬化させてしまいます。

・相談室のドアは開けておく

不思議に思うかもしれませんね。
不登校やいじめで悩む生徒の多くがスクールカウンセラーの相談室を利用しようと思っても、結果出来なかったのです。

悩んでいる子供にとってはドアを開ける、という一つの行為だけでも勇気がいります。なるべく相談室に入りやすい雰囲気にして、気軽に相談できるような状況を作り出していきましょう。

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